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新聞日記

新聞から世界を考えてみる

震災遺構

東日本大震災の被害を伝える震災遺構。

消し去りたい過去は、誰にでもある。というか、私にはある。できることなら、無かったことにしてしまいたいとも思う。その時のモノは、そういえばどうしているかと言えば、もうほとんどない。「ほとんど」と言うのは、無くしたいと思っている記憶とは、それほど直結しないモノだから。それでも、やはり忘れることができない。もちろん、無かったことにすらできていない。

あんなでも、過去があるから今があるって、思っているから。モノがなくたって、記憶には残る。もし忘れることになったら、それはそれで乗り越えられたってことになるのかも。だから記念碑的なモノなんていらない。というか、そればかり意識していたら、時間が止まってしまう。

しかし遺構は、実際に被災をしなかった人々のためにあるという。「もう二度と、おなじ悲しみを繰り返さないため」。経験していないことを、モノを通じて感じることが人間にはできる。もしかしたら、それが「芸術」なのかもしれない。

今回、保存される方向になった震災遺産。記念から祈念へ。