新聞日記

新聞から世界を考えてみる

旅券返納命令

シリアへの渡航を計画していた男性に、旅券法に基づいて旅券(パスポート)を返納させた。記事によれば、返納にいたるまでに外務省と警察は自粛を要請していたという。

その旅行法の19条の4には、「旅券の名義人の生命、身体又は財産の保護のために渡航を中止させる必要があると認められる場合」とある。これが、法的根拠という。返納に応じた男性は「取材と報道の自由どころか、言論の自由を妨げる行為だ」というコメントが寄せられていた。

今回は国境という、国境間の移動の自由と安全をどのように確保するのかと言う問題。人間とは、なんと弱い存在なのだろうか。移動の制限をするために、境界をつくった。つくったのは人間だ。そこに山の稜線や河川があろうが、人が容易に入れない海や砂漠などがあろうと、そこに線を引くのは、人間である。なくてもイイのに、線を引く。なぜ引いたのだろうか。

でも、なぜだろう。「一線を引く」ことで、どこかホッとする自分がいる。規制されることは嫌で、文句も言いながらも、線があることで、どこか安心してしまう。その安心を捨てても、線を乗り越えていく情熱を持つのも、また人間。

そして、この線は不思議な線。線を超えて外に出る時と、線を越えて帰ってくる時では、その線の高さや深さが違う。

それにしても「危険」と言われてしまうシリアや、ヨルダン側からすれば、事実だとしても、なんとも失礼な話だ。