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新聞日記

新聞から世界を考えてみる

江國香織 「ホテルカクタス」

江國香織の物語に、佐々木敦子の挿絵のコラボ。

「ホテル カクタス」というアパートに住人の物語。その住人の「帽子」と「きゅうり」と数字の「2」の物語。彼らは「人間」ではないのだけれど、もしかしたらいるかもしれない。そんな気持ちになる。それは、彼らの感情や精神が、人間を感じるから。

普段接している人、もしかしたら「2」なのかもしれない。街中で出会う、あるいはすれ違う人たちは、私には人間に見えるけれど、本当は「きゅうり」なのかもしれない。「帽子」のようなハードボイルドな人と、私は会ったことはないけれど、いてもおかしくはないと思う。

「人間」ってなんだろ。外見で判断するけれど、人間らしさは、その精神なのではないだろうか。「生きていく」とはなんだろう。それは、この物語のように関係性があって、初めて「生きる」ことを実感することなのだろうか。

そして佐々木敦子氏の挿絵が、すごく素敵。ひんやりとして、どこか湿っぽい空気感。そして陽射しのぬくもりをも感じてしまう。アールデコ調の「Hotel Cactus」と、競馬場の直線の対比。フランス・パリの片隅を感じる。

 

ホテルカクタス (集英社文庫)

ホテルカクタス (集英社文庫)