新聞日記

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西海岸港湾

アメリカの西海岸の港湾労働者が待遇改善を要求していることで始まった労使対立。労働者側は荷役作業を大幅に遅らせている。記事では写真付きで紹介しているが、「遅らせている」というよりも、「やっていない」という印象の方が強いのではないだろうか。

今回記事になったのは、とりあえず労使間で暫定合意がなされたことで、作業が動き出したことであった。それでも、荷が動き出すにはまだ時間がかかる模様だ。トラックなど荷役場に持ち込まれた荷を船に積む。それは荷役作業だけども、他にも税関手続きがある。これにも時間がかかると言う。

こうした遅滞を嫌がり、西海岸から東海岸に荷揚げする動きがある。東海岸向けの運賃は急上昇。もともと大都市や生産工場が集中する東海岸への運賃は、西海岸に比べて割高であるのが、一気に跳ね上がっている。西海岸にむけて発送しても、港で泊まってしまう可能性があるのだから、高くても東海岸に荷揚げするのは合理的であろう。2016年にはパナマ運河も拡張される予定だ。

 インターネットの普及で、モノが気軽に動いている。これも錯覚なのだ。モノを動かしているのは、やはり人間だ。労働者の待遇が、どれほどの冷遇を受けているのかは記事からでは分からない。記事では、当事者の港湾労働者ではなく、港湾にモノを運び込む運送業者のコメントが掲載されていた。彼らはこの騒動の犠牲者でもある。港が止まっているから、仕事が減っているのだ。それへの補償などない。怒り爆発だろう。これ以上の遅滞は、西海岸の経済も停滞させる。

物流は、言い換えれば欲望の流れ。それによって経済は動く。欲望がなくなると経済は動かない。追及しすぎると、どうやら動かないのではないだろうか。「ほどほどに」とは、本当に難しい。絶妙な塩梅が、つまり「神の見えざる手」なのか。なるほど神業と言いたくなるほどに、難しい。

パナマ運河 - 新聞日記