新聞日記

新聞から世界を考えてみる

伊坂幸太郎 「夜の国のクーパー」

私は猫と話をする。猫は人間の会話を理解し、そして猫は鼠と話をする。そして猫の住む人間と、なぜか私。

戦争に負けて占領・支配が始まることの恐怖。日本は戦後70年。占領という事態の記憶が薄れつつあるが、ISなる組織が、中東や北アフリカなどを混乱させている昨今。小説の冒頭は、なんとも現実味を帯びている気がしてならない。

それでも猫は、いつも通りに生きている。そう、猫にとっては関係のないこと・・・のはず。なのに、なぜか主人公?の猫は、真相に迫っていく。

今の日本を支配しているのは、では信頼できるのか。というか、無条件に信頼していることが、どれほど視野を狭め、そして危険なことなのだろうか。なにか誰かの物語(筋書き)にノセラレテいるだけなのではないだろうか。

「知る勇気を持て」ーーー私は自分の理性を使っているだろうか。理性が正しいとは限らないけれど、それはあまりにも、長い事使っていないがために錆びついて誤作動を起こしているだけなのかもしれない。くるくるとまわして、錆を落として、ツルツルになれば、世界は違って見えてくるのかもしれない。見たくない真実を、そこに見てしまうかもしれないけれど。

 

夜の国のクーパー (創元推理文庫)